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塩水から塩分を除去する処理を淡水化といいます。住んでいる地域で清潔な飲料水が不足している場合などに必要になるかもしれません。また、真水が手に入らない場所に取り残されてしまった場合も役に立つでしょう。塩水を飲用水に変える淡水化にはいろいろな方法があります。

方法 1
方法 1 の 3:

鍋と火を使用する

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  1. コップは十分な量の水が入るサイズのものを用意しましょう。ただ、鍋に蓋ができるように、鍋の中に収まる高さである必要があります。
    • ガス台などで直火にかけられる鍋と蓋を用意しましょう。コップも、熱によって割れてしまう場合があるので、パイレックス社製などの耐熱性のものや金属製のものが安全です。プラスチック製のコップは溶けてしまったり変形する可能性があります。
  2. 塩水をたくさん入れすぎてはいけません。鍋の中に立てたコップの口よりも、かなり下の位置までにしておきましょう。こうすると、後で沸騰した時に塩水がコップの中に入り込むことがありません。コップに塩水が入ると、せっかくの真水に塩分が含まれてしまいます。
  3. こうすることによって、蒸気が凝縮して液体となり、鍋の中のコップに溜まる仕組みができあがります。蓋の最も高さのある部分、または持ち手の部分がコップの方を向き、コップの真上に来るようにしましょう。
    • 蓋と鍋のふちがしっかりと密着するようにしましょう。
    • 密閉されていないと蒸気が逃げ、出来上がる真水の量が減ってしまいます。
  4. 弱火でゆっくりと沸騰させましょう。強火で勢いよく沸騰させると、塩水がコップの中に飛び込んでしまう可能性があります。また、熱が強すぎるとコップが割れてしまうかもしれません。
    • 水が勢いよく沸騰すると、蓋の持ち手の位置を合わせたコップが、鍋の中央部分から動いてしまうこともあります。
  5. 水は、沸騰すると混じりけのない蒸気になり、それまで溶けて混ざっていた成分はすべてなくなります。
    • 水が蒸発すると、空気中では蒸気になり、蓋の表面では水滴に凝縮します。
    • 水滴は蓋の表面をつたって、最もくぼんだ部分(持ち手部分)に到達し、コップの中に落ちます。
    • 完了するまで20分ほど要します。
  6. コップも水もかなり熱くなっています。鍋の中にはまだ少量の塩水が残っているかもしれませんので、真水の溜まったコップを取り出す際は、塩水が入ってしまわないように注意しましょう。
    • コップは鍋から出してしまったほうが早く冷めるかもしれません。
    • 火傷をしないよう十分に注意しましょう。鍋つかみや鍋しきなどがあると取り出しやすいでしょう。
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方法 2
方法 2 の 3:

太陽光を利用する

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  1. ふちまで一杯に水を入れないようにしましょう。上部に少し余裕を残し、塩水が真水を溜める容器に入ってしまわないようにする必要があります。 [1]
    • ボウルあるいは容器がしっかり密閉されているか確認しましょう。隙間があると、蒸気が真水として凝縮する前に外に流れ出てしまいます。
    • この方法は数時間かかります。その間、太陽光が十分に確保できるようにしましょう。
  2. 急いで行うと塩水がコップの中に入ってしまう恐れがあるので、落ち着いてゆっくりと行いましょう。真水に塩分が混入してしまいます。 [2]
    • コップのふちが水面より高くなるようにしましょう。
    • コップは石などで軽く重しをして、水中でずれ動かないようにするとよいでしょう。
  3. ラップが緩すぎたり、逆にきつすぎたりしないようにしましょう。塩水の入ったボウルのふちがしっかりと閉じている状態にすることが大切です。ラップとボウルのあいだに隙間があると、湯気や真水となった蒸気がボウルから逃げてしまいます。 [3]
    • 頑丈でやぶれにくいラップを使用しましょう。
  4. ボウルの中央に置かれたコップあるいは容器の真上に重りを置きましょう。こうするとラップにくぼみが生じ、真水がつたってコップに流れ落ちていきます。 [4]
    • 石や重りが重過ぎると、ラップが破れてしまうので注意しましょう。
    • 次のステップに進む前に、コップが中央に設置されていることを今一度確認しましょう。
  5. こうすることによって水に熱が加わりラップに沿って凝縮が起こります。凝縮されると、真水となった水滴がラップをつたい、コップの中に流れ落ちていきます。 [5]
    • これは、ゆっくりと真水を作っていく方法です。
    • 数時間かかるので忍耐強く待ちましょう。
    • コップに十分の真水が溜まれば、すぐに飲むことができます。この水は安全で、完全に淡水化されています。
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方法 3
方法 3 の 3:

海での遭難時に海水を淡水にする

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  1. 救命ボートのパーツを使い、海水を淡水化するための装置を作ることができます。 [6]
    • これはビーチなど真水のない場所に取り残された場合に最も有効です。
    • この方法は第二次世界大戦中に太平洋で遭難したパイロットによって考案されました。
  2. ボンベを開けて中に海水を入れます。布などで軽く遮り、砂や破片がボンベに入りすぎないようにしましょう。 [7]
    • 満タンにする必要はありません。ふちからこぼれない程度に海水を入れましょう。
    • 火を起こせる場所にボンベを運びましょう。
  3. ホースを漏れ止め用口金の一方の端につなげましょう。これによって、水が加熱された時に、凝縮された真水の蒸気が通るチューブができあがります。 [8]
    • ホースにねじれや詰まりが無いことを確認しましょう。
    • ホースと口金がしっかりと接続されていることを確認しましょう。ホースからの真水の流出を防ぐことができます。
  4. ホースとつないでいないほうの口金の端をボンベに接続します。これが、ボンベ内で水が熱されて発生する蒸気が移動し、真水となるルートになります。 [9]
    • 漏れないようにしっかりと密閉しましょう。
    • より糸やテープがあれば、よりしっかりと密閉できます。
  5. 真水が移動する間、ホースを砂で安定させます。ホースの先が土手の外に出ているようにしましょう。ここから真水が出てきます。 [10]
    • ガスボンベや口金は砂に埋めないようにしましょう。漏れが発生していないことを確認するために目に見える状態にしておくことが必要です。
    • ホースは、埋める際にねじれがない状態で、できるだけまっすぐに設置するように心がけましょう。
    • 露出しているホース先の下に平鍋などを置きましょう。これで真水を集めることができます。
  6. これによってボンベの中の海水が沸騰します。沸騰するとともに発生する蒸気がボンベの上部で凝縮し、真水としてホースの中を移動します。 [11]
    • この方法によって集められた水は淡水化されていて、安全に飲むことができます。
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ポイント

  • 太陽光を利用する方法は時間がかかるので、短時間で大量の真水を生成したい場合は不向きです。その一方で、サバイバル手段としては最適です。
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注意事項

  • すべてのステップを注意深くおこないましょう。鍋の水位が高くなりすぎないようにしましょう。中央に置いたコップに塩分が混入し、結局塩水を飲んでいることになってしまいます。
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