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聞き上手になるということは、他の人々の目線で物事を見るということに他なりません。それは、理解力を高め、他者の気持ちに共感する力を磨くことを意味します。またその過程で、自身の コミュニケーション能力 を見直し、世間との交流を一層有意義なものにすることができます。優れた聞き手とは、相手が置かれている状況について深い理解を示し、その場で掛けるべき言葉と避けるべき言葉の選択ができる人のことです。とりわけ相手との間に意見の相違を見る場合は、みなさんの聞き手としての真価が問われます。聞く(そして認識する)という一見単純な行為を正しく行うには、誠実な努力と長期にわたる練習が必要になります。以下のステップに従い、優れた聞き手になるための方法をぜひ学びましょう!

パート 1
パート 1 の 3:

心を開いて聴く

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  1. 相手の話を聴いているつもりでも、つい自身の思考に囚われ、「自分ならこうする」といった相手の話による自身への影響ばかり考えてしまうことは珍しくありません。「内なる思考」はアクティブリスニング(積極的に相手の話を聴こうとする姿勢)の妨げになります。意見を持つ前に、まずは心を開き、相手が抱えている問題を相手の視点から見ることが大切です。相手の立場に立っていれば、もっと早く問題の本質を理解することができたはずだと思うことも少なくないはずです。優れた聞き手になり、相手を深く知ることによって、さらに強い友好関係を築くことができます。
    • 口は一つしかありませんが、耳は二つあることを忘れてはいけません。「話すこと」以上に「聞くこと」が大切だということです。話している時間よりも聞いている時間の方が遥かに得るものがあります。話を聴く際は、会話の最中にしっかりと相手の目を見て、相手の話に関心があることを態度で示しましょう(たとえつまらない話であっても、こうした礼儀は大切です)。真摯に話を聴く人は観察力に優れているため、思慮に富み、物事を一層深く理解することができます。余計なことは考えず、まずは徹底して相手の話を聴きましょう。話をしている相手にすべての意識を集中し、注意を逸らさないように心掛けましょう。常に対話の相手とアイコンタクトを取り、決してそれ以外の人や物に視線を奪われてはいけません。
    • 話をしている相手を判断・評価したり、即座に“解決策”を考えるのではなく、時間をかけて話を聴き、相手の立場に立って状況を見ることが大切です。誰かが密かにみなさんの人間性を判断していたとしたら、どのような気分になるか想像してみましょう。そうすれば、心から相手の話に耳を傾けることができるはずです。相手の置かれた状況をしっかりと理解するまで結論を出してはいけません。
  2. 親身になって話を聴く最善の方法は互いの体験を比べてみることだと思い込んでいる人も少なくないでしょう。しかしながら、これは真実とはほど遠いものです。相手が家族の死と向き合う辛さについて話をしている場合、いくらかの助言をするのは構いませんが、「まさに自分の時と同じだ… 」などという言い方をしてはいけません。とりわけ、相手の切迫した事情を自身のあまり深刻ではない経験と比較する場合、これは極めて侮辱的で無神経な発言とみなされます。例えば、離婚問題をわずか3か月で終わった恋愛経験と比較したのでは、悩みを打ち明けてくれている相談者を不快にさせるだけでしょう。
    • 互いの経験を比較することは、一見相手を助け、力を合わせて問題に当たるのにうってつけの方法だと思われるかもしれませんが、実際のところ、このような考え方は相手の話を簡略化するばかりで、真面目に話を聴いていないという印象を与えてしまいます。
    • 「私は」または「私に」といった表現は極力避けましょう。“一人称表現”を多用すると、相手の話以上に自分自身の話に興味があるように聞こえてしまいます。
    • もちろん、みなさんに同じような経験があることを相手が承知していれば、積極的に意見を求められることもあるでしょう。その場合は意見を述べることができますが、自身の経験が相手のそれと全く同じであるというような言い方をしてはいけません。これではまるで架空の状況の話が助けになると言っているようなものです。
  3. 人によっては、話を聴いているそばから、相手が抱えている問題を素早く簡単に解決しようとしきりに考えを巡らせます。しかしながら、あれこれ考える前に、まずは相手が口にする言葉を素直に受け入れることが大切です。そして、相手が話をしている間に(なおかつ相手がそのような形で助けを求めている場合にのみ)、時間をかけて“解決策”を考えましょう。焦ってあらゆる対処法を次から次へと思い浮かべていては、とても相手の話を聴くどころではありません。
    • 相手が発する一言一句に意識を集中しましょう。手を差し伸べるのは、あくまでも相手の話を聴き終わった後にしましょう。
    • 雑念を振り払いましょう。現代社会は集中力の妨げになるもので溢れています。今や私達は絶えず雑多な騒音に晒されているため、人の話を注意深く聴くという行為にも困難が伴います。聞き上手になるには、会話の最中に注意を逸らすものをできる限り制限する必要があります。テレビや電話の音が聞こえていたり、話が中断するようでは、優れた聞き手になることはできません。人の話を聴く時は、断固として会話の妨げになるものを減らすように配慮しましょう。
  4. 適切なタイミングでうなずきながら関心を見せ、真摯に話を聴いていることを相手に理解してもらいましょう。さらに、特定の事柄について同意を求められている時は、「はい」といった短い言葉で相槌を打ちましょう(相手が同意を求めているかどうかは、声のトーンで判断できます)。あるいは、悲劇または相手の身に降りかかった辛い出来事についての話が出た時は、「エーッ!」といった感嘆詞で驚きを表しましょう。これらの言葉は、みなさんが単に話を聴いているだけでなく、注意を払っているというメッセージになります。横柄な印象を与えたり、話の腰を折ることがないように、これらの言葉は、タイミングを見極めながら、穏やかな口調で発言しましょう。できるだけ相手の感受性に訴え、相手が苦痛を感じていれば気分を楽にさせましょう。しかしその一方で、ほとんどの人は哀れみを受けることを嫌います。相手を安心させることは大切ですが、決して自身を相談者の上位に置いてはいけません。
  5. 優れた聞き手の大切な条件の一つが、実際に相手が伝えた情報を自分のものにすることです。例えば、相手は、みなさんが一度も会ったことのない、「ジェイク」という名の親友との関係について悩みを打ち明けているとしましょう。その場合、少なくともその名前を記憶して会話の中で引き合いに出せば、相手の事情について着実に理解を深めていることが伝わります。聞き手であるみなさんが、名前、話の詳細、または重要な出来事など、何一つ記憶していないとしたら、相手にはとても話を聴いているようには見えないでしょう。
    • 何も人並み外れた記憶力が必要なわけではありません。しかしながら、幾度となく話を止めて説明を求めたり、頻繁に登場人物を忘れてしまうようでは、聞き上手に見えるはずもありません。相手の話を細部にわたって記憶する必要はありませんが、一方で、話し手に「同じ話を延々と繰り返さなければならないのか」という気持ちになってもらいたくはないでしょう。
  6. 優れた聞き手のもう一つの大切な条件は、会話の中でじっくり話を聴いた後も、さらに相手が抱える問題について考えることです。継続して気にかけていることを相手に伝えたいのであれば、次回二人きりで会った際に、その問題について話を切り出してみましょう。あるいは、テキストを送るか、または電話をかけてその後の様子を尋ねましょう。たとえ頼まれなくても、 差し迫った離婚、就職活動、または健康問題といった深刻な悩みを抱える相手にひと声かけて気遣いを見せることは非常に大切です。相手に気遣いを断られてもがっかりする必要はありません。その場合は相手の意思を尊重し、何かあればいつでも助けになると伝えておきましょう。
    • みなさんに悩みを打ち明けた相手は、みなさんがその場限りの会話で終わりにせず、懸命に相手のことを考え、その後の様子を気にかけてくれていることに心を動かされるはずです。これはみなさんの“聴く力”をさらに一段上げることになります。
    • もちろん、相手のその後の様子を気にかけることは大切ですが、口やかましくしてはいけません。仕事を辞めたいという相談を受けた場合、毎日しつこくテキストを送って仕事を辞めたかどうかを尋ねるのは賢明ではありません。無用のプレッシャーをかけたのでは、助けになるどころか、相手はストレスを感じるばかりです。
  7. 優れた聞き手として相談者の力になるには、「すべきこと」と同時に「してはいけないこと」を覚えておく必要があります。相手には、みなさんが真面目で尊敬に値する人物であると思わせたいところです。そのためには、避けるべき基本事項がいくつかあります:
    • 話の途中で口を挟んではいけません。
    • 相手を問い詰めてはいけません。確認したいことがあれば、タイミングを見計らって優しく尋ねましょう(例えば、話の切れ目や一息ついた時など、相手が沈黙したタイミングで)。
    • 多少不愉快な思いをしても、みなさんから話題を変えようとしてはいけません。
    • 「何も人生が終わるわけじゃない」や「一晩寝れば気分も落ち着くでしょう」といった発言は禁句です。このような身も蓋もない発言は相手を不快にさせるだけです。相手とアイコンタクトを取り、強い関心を持って話を聴いていることを理解してもらいましょう。
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パート 2
パート 2 の 3:

かけるべき言葉

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  1. 「何を分かり切ったことを」と思われるかもしれませんが、閃いた思考を言葉にしようとする衝動をその都度抑えることは、話を聴く際の難関の一つです。また、自身の似たような体験を話して相手を形ばかりに慰めようとする人も少なくありません。こうした聞き手による“衝動的”な反応は、いずれも助けになる場合がありますが、往々にして幾度も使われた挙句、乱用されています。
    • 「何とかして助けになりたい」という欲求を抑え、相手が心の内をさらけ出すのを辛抱強く待ちましょう。肝心なのは、相手のペースで、そして相手の望む方法で話をしてもらうことです。
  2. 相手が極めてプライベートな問題や重要な案件について話をする場合は、みなさんが口の堅い、信用のおける人物であることを理解してもらう必要があります。みなさんを信用して良いこと、この先の話は二人の間に留めること、そして、約束は必ず守ることを伝えましょう。みなさんが本当に信用のおける人物かどうか分からないうちは、相手は心の内をさらけ出すことができません。また、相手の心を開こうと焦ってはいけません。無理に話を聴き出そうとすれば、相手を不快にさせたり、怒らせることになります。
    • 相手が自暴自棄になり、自殺でもしかねないという懸念がある時など、どうしても胸の内に留めておくことができない場合はもちろん例外ですが、今聞いた話を他所では洩らさないという約束は必ず守りましょう。周りの信用を得られない人は、決して聞き上手になることはできません。
  3. 対話の最中は、適切な間合いで共感的な合いの手を入れ、真剣に話を聴いていることを相手に実感してもらいましょう。相手の話の要点をまとめて「つまりこういうことですか」と言い換えたり、または要点を繰り返して強調しましょう。そうすれば円滑な会話を実感でき、相手も気恥ずかしい思いをすることなく話しができるでしょう。以下は会話を円滑にするためのテクニックです:
    • 反芻と勇気づけ: 話し手の発言のいくつかをそのまま繰り返すと同時に、積極的な合いの手を入れて勇気づけましょう。例えば、「責めを負わされるのは辛かったでしょう。私だって嫌ですもの」といった言葉をかけましょう。ただし、あくまでも何気なく言ってのけるのがポイントです。時折このような共感的な合いの手を入れて、そっと相手を勇気づけましょう。もっとも、あまり多用すると恩着せがましく聞こえてしまうので注意が必要です。
    • 要約と換言: “語り部”である相手の発言から分かったことを要約し、自分なりの言葉で言い換えるのは非常に有効です。みなさんが真摯に話を聴き、話の内容を理解していることが伝われば、話し手を大いに安心させることができます。これはまた、話し手がみなさんの誤った憶測や思い違いを指摘する格好の機会にもなります。
    • 「間違っているかもしれませんが…」あるいは「誤解していたらすみませんが…」といった言葉をかけ、相手がさらに発言できる余地を残しておきましょう。これは、相手の話にフラストレーションが溜まったり、話を聴いている最中に集中力が途切れそうな場合には特に効果的です。
  4. 相手を詮索したり、問い詰めるのが質問の目的ではありません。むしろ、質問は、懸案事項について話し手が自ら結論を出すための手段と心得ましょう。話し手が、自分自身について善悪の判断を下したり、または強引な思い込みをすることなく、自力で結論を導き出せるように手助けをすることが大切です。以下のポイントに注意しましょう:
    • ひとたび共感しながら話を聴いている姿勢が伝われば、次は相手の立場を肯定しながら耳を傾けましょう: 質問の仕方には工夫が必要です。例えば、「責められるのは辛かったでしょう。それにしても、どうして周りの人たちはあなたを責めるばかりで、もっと別の方法で仕事をするように言ってくれないのでしょう?」といった前向きな質問を投げかけましょう。
    • 上記のような形で問いかければ、自然と話し手は、みなさんが理解していない(または、思い違いをしている)事柄について直に説明する必要に迫られます。その過程で、当初は感情的であった話し手の受け答えは、論理的で建設的なものに変わるはずです。
  5. 建設的な受け答えを促す中で、積極的な聞き手になるためには、強い忍耐を持って、相手の湧き出る思考、気持ち、アイデアを余すところなく聞き出す必要があります。最初のうちは、相手はぽつぽつとしか話をしてくれないかもしれません。相手が完全に心を開くまでには相当な時間がかかることを覚悟しましょう。あまり早い段階で個人的で詮索的な質問を数多く投げかけてしまうと逆効果になり、相手を追い詰めることにもなりかねません。受け身になった相手は、それ以上みなさんに話をする気にはならないでしょう。
    • 常に相手の立場に立って辛抱強く話を聴きましょう。時には、なぜ相手がその状況に置かれたのかを想像することも大切です。
  6. 相手が話をしている最中に、みなさんの気持ちや考えを言葉にするのは慎みましょう。話の流れを切る前に、相手がみなさんに意見を求めるのを待ちましょう。一旦自らの意見を慎み、適切な会話の切れ目を辛抱強く待つことが“アクティブリスニング”には不可欠です。会話の切れ目を待って、話を簡潔にまとめたり、あらためて共感的な同意を述べましょう。
    • あまりに早く口を挟むと、相手はフラストレーションを感じ、みなさんの発言をしっかりと呑み込むことができません。相手は最後まで話を聞いてもらいたいと思っています。話の腰を折られると、相手は不愉快な気持ちになり、注意が散漫になってしまいます。
    • 直接的な助言は控えましょう(求められた場合を除いて)。代わりに、事情をつぶさに語ってもらい、相談者が自ら解決法を見つけるように仕向けましょう。そうすれば、話し合いは双方にとって前向きなものになります。前向きな対話は事態を好転させ、話し手のみならず、聞き手であるみなさんにとっても自己理解を深めることにつながります。
  7. 対話の結論がどのようなものであっても、話を聴き、相談に乗れて良かったと相手に伝えましょう。さらに、今後も必要とあれば相談に乗る旨を伝えましょう。ただし、押しつけがましい態度は禁物です。合わせて、会話の内容を二人だけの秘密にするという意思を伝えて話し手を安心させましょう。たとえ話し手が深刻な状況にあり、「きっと大丈夫でしょう」などという言葉が気休めにもならないような状態であっても、「いつでも話を聴いて助けになります」と言うだけで相談者の気分を楽にすることができます。
    • 相手の手をそっと握ったり、軽く膝の上に手を置いたり、肩に腕を回すといったスキンシップも、話し手を安心させるのに効果的です。その場の状況に合わせて適切な行動を取りましょう。相手の体に触れる際は、限度を超えないように注意しましょう。
    • みなさんに十分な能力、時間、知識があれば、解決策を提案しても良いでしょう。ただし、 偽りの希望を持たせるのは禁物です 。積極的に耳を傾けることしかできないのであれば、その意思をはっきりと伝えましょう。熱心に話を聴くことこそが相手にとって大きな助けになることを忘れてはいけません。
  8. 体験談が役に立つこともありますが、話を聴く際は、自身が何をしたのかを思い出すのではなく、今相手にとって何が最善なのかを考えることが大切です。
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パート 3
パート 3 の 3:

適切な身振りや仕草

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  1. 話を聴いている最中は、アイコンタクトが大切です。無関心で、話に集中していないという印象を与えてしまうと、相手は二度とみなさんに心を開こうとはしないでしょう。優れた聞き手になるためには、相手としっかり目を合わせることが大切です。相手がみなさんに話をしている最中に直接相手の目に意識を集中すれば、相手はみなさんが一言一句逃さずに聴いていることを確信できます。たとえつまらない話題であったとしても、相手に敬意を払い、しっかりと話し手の発言に耳を傾けましょう。視線を彷徨わせてはいけません。
    • 目と耳、そして思考を相手に集中し、優れた聞き手になりましょう。自分が次に何を言うかを考えるのではなく、今相手が口にしている言葉にすべての意識を集中しましょう(主役は聞き手であるみなさんではなく、あくまでも相談者であることを忘れてはいけません)。
  2. 優れた聞き手になるには、物心両面で対話に最適な空間を演出することも大切です。集中力の妨げになるものはすべて取り除き、みなさんに話したいことがある相手に最大限の注意を払いましょう。携帯電話などの通信機器の電源を切り、心置きなく対話に集中できる環境を整えましょう。ひとたび相手と向き合えば、気持ちを落ち着けて相手の発言を注意深く聴きましょう。
    • 話の邪魔になるものがなく、また他の人々に目移りすることのない場所を選びましょう。喫茶店に行くのであれば、店に出入りする興味深い客に気を取られず、話しをしている相手に意識を集中しなければなりません。
    • レストランやカフェといった公共の場で話をする場合は、電源の入ったテレビの近くに座るのは避けましょう。どれほど固い決意を持って相手の話に集中していたとしても、テレビにチラチラ視線を奪われることもあるでしょう。応援しているチームのプレーが放送されていればなおさらです。
  3. 大きなうなずきは相手の話を理解しているという意思表示になり、話をさらに先へと促すことができます。また、姿勢、体の向き、動作を話し手に合わせれば(ミラーリング)、相手はリラックスしてさらに心を開くことができます。できるだけ相手の目を真っ直ぐ見つめるように心掛けましょう。そうすれば、単に話を聴いているだけでなく、話の内容に強い関心を持っていることが相手に伝わります。
    • 相手を勇気づけるうえで、もう一つの有効な仕草は、話し手に向かって身を乗り出すことです。一方、話し手から体を逸らしてしまうと、しきりにその場を離れたがっているように見えるかもしれません。例えば、脚を組む際は、脚を横に向けるのではなく、膝から先を相手に向けた状態で組むのが賢明でしょう。
    • 胸の前で腕組みをするのも賢明ではありません。たとえみなさんにその気がなくとも、このような仕草は冷淡で疑り深い印象を与えてしまいます。
  4. アクティブリスニングには、聞き手のみならず、話し手の身振りや表情も大きな役割を果たします。優れた聞き手は、言葉に出さずとも、相手が発する一言一句に聴き入っていることを相手に伝えることができます。以下の方法を駆使して、その場で相手の気持ちを最大限に引き出せる、積極的な聞き手になりましょう:
    • 言葉: さすがに5秒と空けずに、「ウーン」、「そうですか」、または「その通りですね」といった相槌を繰り返していては相手を苛立たせるばかりですが、折に触れて相手を勇気づけるフレーズを投げかけ、注意深く話を聴いている姿勢を見せるのは効果的です。話しをしている相手がみなさんにとって特別な人であれば、みなさんは注意深く話を聴き、相手が問題を抱えていれば、進んで解決策を見つける手助けをしたいと思うでしょう。
    • 表情: 関心を持っている様子を見せるとともに、時には相手の視線を捉えましょう。あまり凝視すると相手に圧迫感を与えることになりますが、相手の話に対して、アイコンタクトで親しみや寛大さを示すことは大切です。
    • 行間を読む: 常に言葉足らずな部分に注意し、相手のふとした仕草からも本音を汲み取りましょう。話し手の言動だけでなく、表情や仕草にも注意を払い、できるだけたくさんの情報を集めましょう。どのような心理状態がそのような表情や身振りや声の大きさを生み出すのか、自分自身に置き換えて想像しましょう。
    • こちらから発言をする際は、できるだけ相手と同じ口調・声量で話しましょう。 そうすれば、相手は自分の言いたいことがみなさんに伝わっていると感じ、話を繰り返す必要がないことが分かるでしょう。
  5. アドバイスをしたいという気持ちを抑え、辛抱強く聞き役に徹しましょう。
    • 相手の発言を繰り返し、話の内容を正確に理解しているかを確かめましょう。同じ言葉であっても、人によって捉え方が異なる場合もあります。聞き手が話し手の言葉をそのまま繰り返すことは、互いに話の内容をその都度確認し、思わぬ誤解を避けるのに最適な方法です。みなさんがしっかりと話を聴き、気持ちや考えを共有していることを相手に理解してもらいましょう。
    • 話し手の状況に配慮しましょう。相手が繊細な人物であれば、“愛のムチ”は禁物です。
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ポイント

  • 大抵の場合、人は理解するために聴くのではなく、発言するために聞くものです。気を付けましょう。
  • 集中力の妨げになるものは取り除いておきましょう。携帯電話の電源を切り、窓の外を見たり指先で鉛筆をいじるような行為は慎みましょう。
  • 対話のすぐ後に話の内容について試験があると仮定しましょう。そうすれば、話の中から要点を注意深く見極めるとともに、細部を聞き逃すまいと話に集中することができるでしょう。
  • 聴くのが難しい時こそ、聴くことが大切になります。
  • 社会人として充実したキャリアを送るうえでも、他人と有意義な関係を築くうえでも、聞き上手であることは最も必要とされるスキルの一つです。
  • “とっておきの”アドバイスなどは必要ありません(相手が求めてきた場合を除いて)。相手はあくまでも話を聴いてもらいたいのであって、助言や説教を求めているわけではないことを肝に銘じましょう。
  • 悩みを打ち明けている相手は、必ずしもみなさんが問題を解決してくれることを望んでいるわけではありません。その人は、ただ話を聴いてくれる相手が欲しいだけかもしれません。
  • 相手の発言を一言一句そのままオウム返しにするのは避けましょう。話し手を極度に苛立たせる場合があります。
  • 話を聴いている最中は、相手の目を見ましょう。アイコンタクトによって、みなさんが他のものに気を取られず、100%相手に意識を集中していることが伝わります。じっと凝視したり、不信感を表に出さずに、柔和な眼差しを向けましょう。できる限り落ち着いた態度で相手の発言を受け止めましょう。
  • “その場の空気を読む”ことも大切ですが、場合によっては、物事をありのまま受け入れ、相手の話の展開に身をゆだねましょう。
  • 相手が話をしている最中に、次に何を言うべきかを考えているようでは、とても話を聴いているとはいえません。人を助ける力を台無しにしているようなものです。
  • “矮小化”は禁物です。「みんな悩みは一緒だから、心配するな」などというコメントは避けましょう。
  • どうしても話を聴く気になれない時は、大切な話し合いを延期しましょう。心の準備ができていない時は、話をしないのが賢明です。個人的な感情や心配事に気を取られたり、周りに会話の邪魔になるようなものがある場合、無理に話し合いをしようとすると逆効果になります。
  • アドバイスをしたい気持ちを抑えましょう。
  • 相手が話をしている最中に、質問を投げかけたり、自身の話を挟み込んではいけません。
  • 聴きたい話だけを聴くのではなく、受動的な態度で相手の言い分をすべて聴き出しましょう。耳触りの好い話が必ずしもみなさんの為になるとは限りません。また逆に、耳の痛い話がすべて害をなすわけでもありません。時として、「聴きたくない話」こそ、自身にとって最も有益な助言となり得ます。もっとも、大抵の場合、相手はみなさんの機嫌を損ねることを恐れ、みなさんが聴きたいと思う事柄についてのみ話をするものです。
  • 相手の目を見ながら時折大きくうなずき、強い関心を持って先の話を聴きたがっていることを態度で示しましょう。
  • たとえ相手がどれほどつまらない話をしていても、とにかく聴きましょう!!!
  • 相手が話をしている最中は、常に相手の目を見て、しっかりと話を聴いていることを伝えましょう。
  • できるだけたくさんの人々と話しをしましょう。注意深く話を聴き、相手の経験から学びましょう。
  • 話の中で理解できない箇所があれば遠慮なく尋ねましょう。
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注意事項

  • 相手が極めて重要な案件について話をしている最中は、できるだけ口を挟むのは控えましょう。相手はみなさんを信頼に値する人物と見込んで大事な話を打ち明けています。どのような形であっても、みなさんが敬意に欠ける態度を取ったり、無関心な様子を見せれば(たとえみなさんに悪気はなくとも)、相手はもはやみなさんにそれ以上話をする気にはならないでしょう。そうなると、それまでの友人関係が壊れたり、または相手と友人になる機会が永遠に失われることにもなりかねません。相手にとって深刻な話題が出た時は、相手の表情に合わせたコメントを述べ、できる限り同意を示しましょう。
  • たとえ相手の話があまりに長く、興味を保つのが難しい場合でも、全力で雑念を振り払い、相手の言葉に耳を傾けましょう。みなさんの知らないうちに、相手はしっかりと話を聴いてもらえたことに心から感謝しているかもしれません。互いの絆はさらに強固になるでしょう。
  • アイコンタクトを取りましょう。相手の目を見ないと、真面目に話を聴いていないという印象を与えてしまいます。
  • 相手が話し終える前に、頭の中で返事をまとめているようでは、真摯に話を聴いていることにはなりません。必ず相手の話が終わるのを待って、意見や感想を述べるようにしましょう。雑念を払いましょう: 心を空にして、まっさらな気持ちで相手の言葉に耳を傾けましょう。
  • 頭を空にして、相手にすべての意識を集中しましょう。今この瞬間に人生を懸けるつもりで集中しましょう。
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