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火山噴火に備えておくか否かは、生死の道を分けることになりかねません。また、備えがあれば、火山灰から健康や財産を守ることにもなるでしょう。適切な備えには、行動計画を立てることが大切です。そして、家族全員とその計画を共有することで、災害から家族の安全と健康を、より確実に守ることができます。火山が噴火したら、自治体の指示に従う必要がありますが、自宅での避難と避難所への避難、両方の準備をしておきましょう。
日本の火山についての追加情報は 日本の火山 の項でご確認ください。
ステップ
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緊急時の連絡方法 を決める 火山が噴火すると、危険な状況に身を置くことになりかねません。活火山付近に自宅や職場がある場合、徹底した準備が必要です。まず始めに、緊急時に家族同士でどのように連絡を取るのか、包括的な計画を立てましょう。
- まず、家族間のあらゆる連絡手段を書き留めましょう。携帯電話の番号やメールアドレスの他に、固定電話の番号も忘れずに加えます。
- 突然噴火する可能性もあるので、噴火時に家族全員が家にいるとは限りません。従って、家族が通う学校や職場、あるいは自治体の避難計画を把握しておく必要があります。
- 火山の被害を受けない地域に住む、連絡の中継者となる人(家族や家族ぐるみで付き合いのある友人)を探しておきましょう。
- 家族と離れ離れになり、お互いに連絡が取れない場合、この中継者に連絡するように決めておき、情報の中継ぎをしてもらいましょう。 [1] X 信頼性の高い出典文献 Federal Emergency Management Agency 出典を見る
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緊急時の集合場所を決める 噴火が起こり、避難する必要がある場合、緊急対策の一環として、家族が集まる集合場所を決めておきましょう。家族に障害がある人がいる場合、その人でも行けるような場所を選びましょう。また、ペットがいる場合は、ペットの避難も考慮して、動物を収容できる場所を事前に探しておきましょう。以下の通り、4箇所の集合場所を選んでおきます。
- まずは、屋内を選びます。出来れば、自宅や学校など、風や火山灰から身を守れる場所が良いでしょう。
- 次に、自宅以外の近隣住民の家を選びます。何らかの理由で自宅にたどり着けない場合、次善の策として自宅近くの家に集合しましょう。
- 三箇所目は、同地域内で自宅から離れた場所を選びましょう。公民館や図書館など、町の中心の公共建築物が良いでしょう。
- 最後に、自宅がある地域外の場所を選びましょう。突然、その地域から離れる必要性が生じた場合に、家族とこの場所で落ち合います。自宅から離れた地域に住む、家族や友人の自宅が最適でしょう。 [2] X 信頼性の高い出典文献 Federal Emergency Management Agency 出典を見る
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経済的影響について考える 緊急時の備えと同様、より日常的な予防措置についても、対処しておく必要があります。この予防措置とは、噴火の影響で被る可能性のある損失を鑑み、それを補償する保険に加入することを指します。噴火が事業に及ぼす影響について、考えておきましょう。火山に近い場所で事業を行っている場合、社員の安全確保や、在庫、設備、その他事業に欠かせない物品の保護を確実にするための、事業継続計画を立てましょう。広告
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防災非常袋 を準備する 火山地帯に住んでいる場合は、常に防災非常袋を準備しておきましょう。 [6] X 出典文献 防災非常袋には、救急箱、食料、飲料水、火山灰から身を守るマスク(PM2.5対策用などの防塵マスク)、手動の缶切り、懐中電灯と予備の乾電池、常用薬、丈夫な靴、ゴーグルなど目を守るもの、電池式ラジオを入れておきましょう。
- 防災非常袋の位置は家族全員が把握し、非常時に簡単に持ち出せるようにしておきましょう。
- 太陽光充電と手回し発電が可能なだけではなく、懐中電灯と携帯電話の充電器の機能も兼ね備える防災ラジオは、どんな自然災害時にも使えるので、準備しておくのが理想的です。防災非常袋に入れておきましょう。
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車用の非常袋を用意する 家庭用の防災グッズと共に、車専用の必需品を入れた非常用袋も必ず準備しておきましょう。食料、救急箱、寝袋、毛布、予備の乾電池などの一般的な防災グッズと共に、非常時の車の運転に必要なものも用意します。地図、ブースターケーブル(ジャンプスターター)、消火器、その他の道具を積んでおきましょう。
- ガソリンは、満タンにしておきましょう。車がない場合、近所の人や友人に乗せてもらえるように事前にお願いしておきましょう。
- 噴火が起こってからお願いするのではなく、必ず事前に話をしておきましょう。
- 事前に移動手段を整えられない場合は、地域の救急隊に依頼しましょう。
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気道を保護する 火山噴火による主な健康被害のひとつとして、火山灰による気道損傷が挙げられます。火山灰は、風に乗って何百キロも離れた遠方まで到達し、乳児、高齢者、または呼吸器疾患のある人にとって、とても危険な物質です。 [7] X 出典文献 危険にさらされる可能性が高い家族がいる場合は、ろ過式呼吸用保護具の購入を検討しましょう。
- 呼吸用保護具には、日本の国家検定に合格しているものや、日本消防設備安全センターが認定するものなどがあります。また、米国労働安全衛生研究所の規格に合格し、日本厚生労働省が新型インフルエンザの対策規定品としているN95マスクは、使い捨て可能のマスクです。すべて、インターネットで購入できます。
- 呼吸器系の保護マスクがない場合は、防塵用のマスクを使用しましょう。短時間、降灰にさらされる場合にのみ、気管への刺激を抑えることができます。ただし、呼吸器系保護マスクほど高い保護力は期待できません。
- 屋外に火山灰がみとめられる場合は、なるべく屋内に留まり、身を守りましょう。
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最新情報入手のための通信機器を準備する 自治体からの最新情報の入手が可能な全ての手段を準備し、使える状態にしておきましょう。自宅では、ラジオやテレビで噴火の最新情報や避難勧告の情報を入手しましょう。災害時のサイレンの有無にも注意深く耳を傾けます。サイレン音がどのようなものかを事前に知っておくと、判断がしやすいでしょう。火山が噴火したら、避難用のサイレンを合図に避難しましょう。広告
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指示に従って避難する 自治体と救急隊から発せられる指示と警告に、注意深く耳を傾けることが大切です。救急隊は徹底的な災害訓練を受けており、一般市民より様々な情報へのアクセスがあることを覚えておきましょう。避難指示を受けたら、指示に従い、すばやく落ち着いて避難しましょう。
- 避難時は、防災非常袋や車用非常袋など、必要なものだけを持ち出しましょう。常用薬がある場合は、最低でも1週間分を用意しましょう。
- 避難するまで時間がある場合は、ガスの元栓と止水栓を閉め、電気のブレーカーを落としておきましょう。
- 避難前に、電気製品のプラグを抜いておくと良いでしょう。電力供給が戻った際に、電気ショックの発生を防ぐことができます。
- 車を運転する場合は、指定の避難ルートを通りましょう。交通渋滞が予想されますが、指示された避難ルート以外は閉鎖されている場合があるので、必ず指定ルートを通りましょう。
- 土石流が発生する可能性があるので、避難時は、低地や渓谷を避けましょう。川は、渡る前に上流を確認し、土石流が迫っている場合は、渡ってはいけません。 [8] X 出典文献
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家畜やペットに対する対策を立てる 自宅や敷地に火山による直接の被害があった場合は、動物は逃げることができないでしょう。しかし、できるだけ動物の安全を確保するための対策は取っておく必要があります。緊急避難所は、動物の収容ができない可能性があることを念頭に置きましょう。ペットを連れて避難する場合は、事前に準備をし、ペット用に十分な食料と水を用意します。
- 家畜は、囲い込んだ土地に収容するか、なるべく遠方に移動するための手段を整えておきましょう。
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その場に留まるように指示があった場合の、避難方法を把握する 自宅で避難するように指示があった場合は、避難指示に従ってすぐに動けるよう、テレビやラジオの情報を注意して聞きましょう。在宅避難中は、安全と健康を確保するために、追加の対策を取る必要があります。まず、全ての窓と屋外につながる出入り口を閉め切ります。暖炉のダンパー(風戸)を閉じ、ヒーター、 エアコン 、換気扇を消すのも忘れないようにしましょう。
- シンクや浴槽、その他の容器に水を溜め、非常時の掃除や洗濯(最低限の量を使いましょう)に使ったり、 浄化して飲み水 として使いましょう。または、給湯器から非常用飲み水を供給することもできるでしょう。
- 可能であれば、窓がない地上階の部屋に家族を集めましょう。
- 最新情報に耳を傾けるのも大切ですが、屋外が安全という情報がないまま外出してはいけません。火山灰による呼吸器の損傷を防ぐには、屋内に留まるのが最善策です。
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援助が必要な人を助ける 避難所や自宅など、避難場所に関わらず、周りの人にも気を配りましょう。助けを必要としている人がいるかもしれません。近所の高齢者、障害者、乳児など、出来る範囲で助けましょう。例えば、車での避難時に乗車人数に余裕がある場合、近所の高齢者に乗車を勧めましょう。在宅避難している場合でも、高齢者を自宅に招くか、高齢者が自身の家で万全の準備が整えられた状態で避難していることを確かめましょう。 [9] X 出典文献
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屋外で自分の身を守る 安全の確認が取れていない状況で、外出するべきではありません。しかし、誰かを助けるために屋外に出る必要がある場合は、できる限り自分の身を守りましょう。安全ゴーグルで目を守り、保護マスクで肺を守ります。頭にスカーフを巻くなど、なるべく体を空気にさらさないようにしましょう。 [10] X 出典文献広告
ポイント
- 避難する部屋に、固定電話があるのが理想的です。困難な状況や問題が起こった時のために、緊急連絡先に、いつでも連絡が取れる状況にしておいてもらいましょう。
- 通信システムを混雑させないため、緊急時以外の通話は避けましょう。
- ユーティリティ配管(電線、電話線、ガス管、水道管など)の破損がみとめられる場合は、自治体に連絡しましょう。
- 友人や近所の人の様子を確認しましょう。特に、援助や特別な支援が必要な人がいる場合は、安全確認をしましょう。
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注意事項
- 火山灰は、呼吸器系に健康被害をもたらします。全ての人に被害をもたらしますが、喘息や気管支炎などの呼吸器疾患を患っている人は、特に注意が必要です。
- 被災地を見学するのはやめましょう。自分の身を危険にさらすだけではなく、救急隊の救助の妨げにもなり、度々問題になっています。いかなる場合でも、指定された規制地域には立ち入ってはいけません。
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日本の火山
- 2018年現在、日本の活火山の数は、111です。その内、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」は50火山です。 [13] X 出典文献
- 登山をする際は、対象の山が活火山かどうかを事前に把握しておく必要があります。火山に登る場合は、 気象庁のホームページ で、噴火警戒レベルや火山防災マップを入手しましょう。また、登山届け制度が導入されている火山には、必ず登山届けを提出しましょう。 [14] X 出典文献
- 日本の 首相官邸のホームページ では、火山災害から身を守るための資料や動画、火山による被災者のエピソード集などが掲載されています。参考にしましょう。
必要なもの
- 防災非常袋と車用非常袋
- 地図
- 通信機器(電話、ラジオ)
- 懐中電灯
- 家のひび割れを埋めるためのタオルなど
- 速やかに避難するための移動手段
- ペット運搬用のキャリー、移動手段
- 車の鍵
- 食料と飲料
出典
- ↑ http://www.fema.gov/media-library-data/1440520833367-b485ed4517c86bc824061197319f4999/Family_Comm_Plan_508_20150820.pdf
- ↑ http://www.fema.gov/media-library-data/1440520833367-b485ed4517c86bc824061197319f4999/Family_Comm_Plan_508_20150820.pdf
- ↑ http://www.ready.gov/make-a-plan
- ↑ http://www.ready.gov/make-a-plan
- ↑ http://www.statefarm.com/learning/disasters/ins_learning_volcano.asp
- ↑ http://www.ready.gov/build-a-kit
- ↑ http://www.ready.gov/volcanoes
- ↑ http://www.ready.gov/volcanoes
- ↑ http://www.ready.gov/volcanoes
- ↑ http://www.ready.gov/volcanoes
- ↑ http://www.tepapa.govt.nz/Education/OnlineResources/AwesomeForces/TeachersSection/Pages/RUPrepared.aspx
- ↑ http://www.whatstheplanstan.govt.nz/volcano.html
- ↑ http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html
- ↑ http://www.bousai.go.jp/kazan/kazan_sonae/index.html
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