正しくストレッチを行うことで、体の柔軟性を高めて、結合組織(骨膜など)の損傷による怪我や痛みの発生リスクを低減できます。この記事では、ストレッチを日課にする、あるいは日々行っているストレッチを改良することを目的として、様々なストレッチの方法を紹介します。自分のニーズに合うストレッチを取り入れましょう。 怪我をしている場合は、怪我の悪化を招く恐れがあるため、理学療法士の指導なしでストレッチを行なわないようにしましょう。
ステップ
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肩を伸ばす
- 片方の手の甲を腰のくびれに置きます。
- 反対の手で肘を掴んでゆっくりと前方へ引っ張り、静止します。
- 反対側も同じ動作を繰り返しましょう。
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上腕三頭筋を伸ばす
- 片腕を上げます。
- 肘を曲げて、前腕を頭の後ろに回して、肩甲骨の間に置きます。
- 反対側の手で肘を掴みます。
- 肘を頭に向かって引っ張ります。
- もう片方の腕も同じ動作を繰り返しましょう。
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上腕二頭筋を伸ばす
- 両腕が一直線になるように親指を上に向けて横へと伸ばします。
- 腕を回転させて親指を真後ろに向け、続いて前に回転させて親指を真下に向けます。
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手首を伸ばす
- 片腕を前に出し、肘を体に寄せて曲げて手のひらを上に向けます。
- 反対側の手で指先を掴み、手のひらが床面を向くまでゆっくりと下に引っ張ります。
- 引き続き、指先を引っ張ります。手のひらは地面を向いているため、今度は上に引き上げる形になります。
- 反対側の手も同じ動作を繰り返しましょう。
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大腿四頭筋を伸ばす
- 直立した状態で片脚を後ろに引っ張ります(フラミンゴのような姿勢)。
- 足をしっかりと掴んだら、そのまま上方に引き上げます。
- 反対側の脚も同じ動作を繰り返しましょう。
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ふくらはぎを伸ばす
- 両手を腰に当てたまま、片脚を前に出します(脚を前後に開く姿勢)。
- やや前傾姿勢をとり、後脚を伸ばしていきます。後ろ足のかかとが床に着くまで伸ばすのが理想的です。
- 反対側の脚も同じ動作を繰り返しましょう。
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ハムストリングを伸ばす
- 床に座り、両脚を前に出します。
- 両腕を前へと伸ばします。可能であれば、つま先を掴みその姿勢を保持しましょう。
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臀部を伸ばす
- 仰向けになり、両足を床に着けて膝を曲げます。
- 片方のくるぶしをもう一方の足の膝にのせて、4の字を作ります。
- 両手で膝をしっかりと抱えながら引き寄せて、その姿勢を保持します。
- 反対側も同じ動作を繰り返しましょう。
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鼠径部を伸ばす
- 床に座ります。
- 両足の裏をぴったりと合わせます。
- 両足をできるだけ体に引き寄せます。
- 手をくるぶしの上に置いて、肘と膝の位置を揃えます。
- 膝で肘を押して、脚を閉じていきます(この動作は鼠径部の筋肉を収縮させて、ストレッチ効果を高めるのに役立ちます)。
- 両膝を下に押します。
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上背部を伸ばす
- (バタフライで泳ぐように)両手を後ろに伸ばして、そのまま頭上に持っていきます。
- 両腕を頭上から体の前方へと回します。
- 両腕が床と平行になるように保ち、背中を伸ばした状態を保持しましょう。
- バランスを保つために、膝を少し曲げて腰を若干引きます。
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首を伸ばす
- 首を前後左右に傾けて伸ばします。首をむやみに回すのは危険です。必ず一旦元に戻してから、別の方向へと傾けます。
- 耳を肩につけるようにして、頭を傾けます。頭を後ろに倒して、30度の範囲で左右に回します。
- 頭を後ろに傾けているときは、口が半開きになるくらいに顎の力を抜くようにしましょう。
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顎を伸ばす
- 頭を後ろに傾けて、下顎を手のひらにのせて顎を開きます。
- 「あっ!」と声を出します(声を出す真似でも構いません)。
- 親指、人差し指、中指で下顎を掴みます。
- 顎を左右に伸ばします。これは顎を打った場合(ボクシングでKOされたときなど)に効果的なエクササイズです。
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体が温まる前にストレッチをしない 体が温まっていなくても、ストレッチをすると気持ちよく感じるのは、体内で合成される鎮痛物質が分泌されるからにすぎません。体の組織を保護するために、心拍数を上げて血液を十分に送り込まなければなりません。そのための唯一の方法は運動です。
- 水泳は心拍数を上げる最も安全な方法です。水中では浮力が働くため、体にかかる負担が軽くなります。
- 縄跳びも効果的ですが、脛骨の骨膜(関節部以外の骨を覆う薄膜)を痛めてしまう可能性があります。骨は腱を介して筋肉とつながっており、骨膜はその筋肉に心臓からの血液を届ける上で重要な役割を果たします。
- プールを利用できないときもあるでしょう。その場合には、サイクリングを行うと、心拍数を安全かつ効率的に上げることができます(ただし、膝に異常が無い方のみ)。
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トレーニング前にストレッチをしない 筋肉を収縮させると、人間の中枢神経は、筋肉の伸びすぎや結合組織の断裂を防ぐために、拮抗筋を刺激して反射的に抗力を作り出します。トレーニング前にストレッチをすると、中枢神経系がリラックスして体の可動域が広がります。その結果、トレーニングによる筋肉の発達や筋力向上の効果が低下します。 ストレッチはトレーニング後に行いましょう。
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トレーニング後は必ずストレッチをする ストレッチには、適切な体液循環をもたらしたり、体を十分柔らかくして筋収縮時の結合組織の断裂を防止する効果があります。広告
ポイント
- 伸縮性のあるウェアを着ましょう。
- 息を吸い込むときは、心地よいと感じるところまで体を伸ばしましょう。息を吐くときには、少し痛みを覚えるくらいが適当です。これを日課として行うと、柔軟性が向上します。
- 初心者には難しいストレッチがあれば、壁を支えとして使ったり、友人に支えてもらってもよいでしょう。
- 毎日ストレッチを行って、早く柔軟な体になりましょう。
- ストレッチを行うときは必ず、筋肉を伸ばした状態で15~20秒間静止しましょう。これにより、伸張反射(筋肉が伸びないように10~12秒間作用する反射)を抑制できます。
- 怪我を防ぐため、ストレッチはゆっくりと行いましょう。
- ストレッチをすると、瞬間的にごくわずかな痛みを覚える可能性はありますが、苦痛を感じることはありません。
- 痛みを感じる場合は、ゆっくりと体を伸ばしましょう。
- 自然に呼吸をして、心を落ち着かせます。怪我をしているときはストレッチをしてはいけません。
- ストレッチをするときの「痛み」を心地よく感じるようになりましょう。
- 過剰にストレッチを行わないようにしましょう。怪我をしてしまいます。
- スポーツをする前には入念にストレッチを行いましょう。スポーツをするのに体が柔らかいに越したことはありません。
注意事項
- 運動における肉体的な限界には個人差があります。ストレッチをするときは、自分の肉体的限界をしっかりと把握しましょう。一生懸命に体を伸ばそうとして怪我をしては本末転倒です。運動の主目的は自分の健康であることを忘れてはいけません。
- 怪我をしているときは、 決して ストレッチをしてはいけません。
出典
- Videos provided by HASfit
- http://www.InnerBody.com/image/musfov.html
このwikiHow記事について
ストレッチをすると柔軟性を高め、怪我のリスクを抑え、運動のパフォーマンスを向上できます。運動のウォーミングアップの前にストレッチをして怪我を防ぎ、筋肉痛にならないように運動後にもストレッチをしましょう。また、朝一番にストレッチをして筋肉を動かしても良いでしょう。初心者向けの簡単なものに、腕を頭上に伸ばすストレッチがあります。両足を肩幅に開いて立ちます。両手を組み、手のひらを天井に向けて頭上に伸ばしましょう。15秒~20秒キープします。お尻と背中を伸ばすには、膝を胸に引き付けるストレッチをしましょう。仰向けになり、片方の膝を胸に引き付けます。15秒~20秒キープして、反対の脚でも繰り返しましょう。脚をストレッチするには、両足を肩幅に開いて立ち、体を前に倒して手でつま先に触れましょう。15秒~20秒キープします。毎日が無理でも週に2、3回はストレッチをして柔軟性を保ちましょう。ストレッチは、痛みを伴うものではありません。痛みを感じるほど、無理に体を伸ばすのはやめましょう。 記事では、上半身や下半身をストレッチする方法、および共著者のパーソナルトレーナーからのアドバイスなどを紹介しています。