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焼きたてのパンは、日常生活での最高のささやかな喜びであり、意外と簡単に手に入れられるのです。自家製のカリッとしたフランスパン、柔らかいサンドイッチ用食パン、発酵のいらない甘くておいしいクイックブレッドを手作りすると、お金を節約しながら、家中を焼きたてパンの香りでいっぱいにすることができます。手軽な材料を少し用意して、コツさえ掴めば、どなたでもパンを手作りできます。
ステップ
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1まず材料を揃えます。 基本のフランスパンの材料は以下の通りです(1カップ=200mL)。
- 小麦粉 7.2カップ(1440mL)
- 塩 小さじ1
- 水 2.4カップ(480mL)
- ドライイースト 小さじ3もしくは1袋
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イーストを発酵させます。 カップもしくは小さなボウルで、イーストと約1/4カップのぬるま湯(37.8~43.3度)を混ぜます。 ぬるま湯は手を入れられる程度の熱すぎない温度が適切です。ぬるま湯の温度が高すぎるとイースト菌が死滅し、温度が低すぎるとイースト菌が不活発になり、パン生地が十分に膨らみません。不快感を感じずに手を入れ続けられる温かさが適温です。
- 数分後、どろっとして泡っぽい形状になると、ビールのような匂いがします。泡立ってどろっとしたら、正しくイーストが発酵した証拠ですので、準備は完了です。
- 「簡単に膨らむ」イーストや予備発酵がいらないイーストを使う時は、小麦粉に加える前に予備発酵をする必要がありません。イーストを発酵させる手順を抜かして、次の行程に進みます。
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3大きなボウルで小麦粉と塩をしっかりと混ぜ合わせます。 小麦粉全量と、水を一度に入れても問題なく混ぜられる大きさのボウルが必要です。木製の頑丈なスプーンで混ぜるとよいでしょう。すべての粉類を混ぜ合わせる時に、予備発酵のいらないドライイーストもしくは発酵済みの泡状のイーストを加え、小麦粉の中で混ぜます。
- 生地専用の羽根が付属されている電動ミキサーや、KitchenAid社製スタンドミキサーで混ぜる方法もあります。ただし、フランスパン作りの行程では、パン生地を混ぜる作業はとても短時間ですので、大抵は手で混ぜる方が簡単です。その場合はミキサーを使う必要はありませんし、どちらにしても後の行程で手は汚れます。
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4水を加えてしっかりと混ぜます。 片手でゆっくりとボウルに水を加えながら、反対の手に持った木製のスプーンで材料を混ぜ合わせます。最初に生地をまとめた後、扱いやすい硬さになるまで混ぜます。手をとめずに動かし続けるのが重要です。材料を混ぜる時に、横で水を入れてくれる人がいたらとても便利です。役割を逆にしてもいいでしょう。
- 生地に混ぜる水の量は、(湿度が低いなどの)条件によって毎回異なりますが、何度も練習を重ねるうち分かるようになります。水をゆっくりと加えて混ぜながら、生地のまとまり具合を観察します。ボウルの中で生地がまとまり始めたら、そこで水を加えるのを止めます。
- (手に小麦粉をつけ)ボウルの中に手を入れて生地を引きます。湿った生地から飛び出している部分などを生地に押し戻し、ボウルの中で基本の生地を一つにまとめてから生地を取り出します。
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5生地を取り出し、打ち粉をしたまな板や台などの平らな表面に置きます。 この状態で最低5分間休ませます。この段階でグルテンが形成されはじめ、パンに噛みごたえのある食感を与えます。グルテンは生地を捏ねても捏ねなくても形成されます。生地を数分間休ませながらグルテンを形成させた後にパン生地を捏ねる方が、生地をまとめる作業過程が容易になります。
- 生地を休ませている間に、生地を混ぜるのに使用したボウルをきれいに洗い、パン生地を発酵させる時に使用する為の準備をします。
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6パン生地を捏ねます。 パンを最初に捏ねる作業は生地の準備の中で最も重要です。5~10分間、もしくは生地がなめらかになるまで、一定した動きで強く捏ねます。捏ね終えたときの生地の表面は、粘り気や固まりがない、柔らかで滑らかに整った状態です。月の表面のようにでこぼこしているときは、必要に応じて小麦粉を加えて捏ね続けます。
- 正しくパンを捏ねる動作には練習が必要ですが、映画「ベストキッド」のミヤギ先生のアドバイスである「ワックスオン、ワックスオフ」の動作に似ています。生地を強く捏ねたら、自分とは反対方向に転がしてから生地を折ります。強く押すのを躊躇せず、押した時に手がテーブルに触れるほどの強さで押します。前方に向って押しながら転がします。
- 手に十分な小麦粉がついているか確認して作業を行います。また、作業台とパン生地の両方に軽く打ち粉をして、生地が表面につかないように気をつけましょう。パン生地の水分が多すぎると感じたら、生地に小麦粉を振りかけて足しながら捏ね続けます。 [1] X 出典文献
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7生地を約3時間発酵させます。 きれいに洗った(少なくとも水で洗い流した後の)ボウルに生地を戻します。その時、タオルか食品包装用ラップでボウルを覆います。生地を温かい、しかし熱すぎない場所に置きます。理想の発酵温度は21度から24度です。
- 室内が寒い時や冬の半ばの季節にパンを作る時は、電源を切ったオーブンの上部か内部にパン生地を入れると、パイロットランプ(オーブン内部の電球)の温かさで生地が発酵します。
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8拳で生地をパンチしてガスを抜いたら、再び形を整えます。 一次発酵前の行程ほど長時間生地を捏ねる必要はありません。打ち粉をした台の上で何回か捏ねたら、一つにまとめて二次発酵を開始するためにボウルに戻します。ここでは簡単に、最初に作った基本形に戻すだけです。生地は最初の段階と比べて、柔らかく滑らかで扱いやすくなっているので、この行程は短時間で完了します。 [2] X 出典文献
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990分間発酵させます。 二次発酵の必要性については意見が分かれます。ここで二次発酵をせずに成形した後、焼く前に生地を確認する人もいれば、仕上がりに安定感を出すために、三次発酵までするパン職人もいます。パン生地がイーストによって膨らむ時にできるたくさんの小さな空洞が、フランスパン特有のカリッとして空気感のある美味しい生地を作ります。「本物の」フランスパン作りを目指す方や時間がたっぷりある方は、二次発酵、さらに三次発酵までするとよいでしょう。台所を温かくおいしいパンの匂いで充満させたい方は、二次発酵の手順は飛ばしましょう。十分においしいパンが出来あがります。
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10好みの形に成形します。 ボウルから生地を取り出して、ローフ、バタール、バケットなどの成形したいパンの形に合わせて生地を切り分けた後、成形を始めます。
- プールを成形する方法 生地を二等分し、これまでと同じように生地をボール状にします。小量のコーンミールを敷いたクッキングシートの上にのせたら、生地を覆います。
- バケットを成形する方法 生地を四等分したら、打ち粉をした台の上で、細長く成形します。何回か転がさないと十分な長さにはなりませんので、できる限り均等になるように成形を続けます。
- バタールを成形する方法 生地を4~6個に切り分けて、短いどっしりとしたバケットに成形します。正しい成形方法があるわけではないので、どの形に成形してもとてもおいしく仕上がります。
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11生地を少なくとも45分程度、膨らまします。 パンを焼く時に使用するクッキングシートの上に、丸めた生地を置いて覆います。少なくとも45分間放置して、再びふくらませた後、オーブンに入れます。
- オーブンに入れる前に、フランスパンの表面にXもしくは自分独自の模様で切り込みを入れるのが通例です。生地に1.5センチ程度の切り込みを入れたら、そこから2.5センチほど離した場所に、別の切れ込みを入れます。焼き上がった時に綺麗に膨らみます。
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12200度で30分、また表面が黄金色になるまで焼きます。 パンの底が硬く、表面が黄金色になり、軽くたたくか指ではじいた時に、パンの中から空洞の音がしたら、オーブンから出しましょう。
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13蒸気でパンのクラストをカリッとさせましょう。 完璧なクラストと呼ばれる、フランスパンの外皮を作る秘密は、蒸気です。パンを焼いている間、スプレーボトルを使って定期的にパンの表面もしくはオーブンの内側に小量の水を数回吹き付けます。この過程でオーブンの中に蒸気の霧が発生し、完璧でサクサクの外皮を作ります。
- パンを焼いている間、水の入ったオーブン皿をパンの下のオーブンラックに置き、蒸気を自然にパンに行き渡らせる方法もあります。ご家庭のオーブンで色々と試してみて、どれが最適な方法か試行錯誤してみましょう。
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1材料を揃えます。 サンドイッチ用食パンは、基本となる準備行程はフランスパンと同じですが、フランスパンの材料に加えて、甘みや柔らかさ、見た目の滑らかさを出すための材料を多めに使います。加える材料や代替えの材料については後述しますが、基本の材料は以下の通りです。
- 小麦粉(精製された白い小麦粉及び全粒粉)7.2カップ(1440mL)
- 水 1.2カップ(240mL)
- 牛乳 1.2カップ(240mL)
- 無塩バター 大さじ2
- 砂糖もしくはハチミツ 大さじ2
- 塩 大さじ1
- 油(お好みで)
- 溶き卵(お好みで)
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2イーストを発酵させます。 立てて使うタイプのミキサーボウルか混ぜる用の大きなボウルにイーストをふりかけたら、1.2カップ(240mL)のぬるま湯(38度~43度)を入れます。蓋をして発酵を開始します。
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3牛乳を「焦がし焼き」にします。 小さい鍋に牛乳を入れて、コンロで瞬時に温めます。沸騰する直前で火からおろし、バターと砂糖を合わせて完全に混ぜます。実際に牛乳を「焦がす」わけではありません。牛乳はすぐに沸騰して泡立ちます。沸騰させないように気をつけてましょう。目を離さないように観察し、吹きこぼれないように注意します。しばらく冷ましてからイーストに加えます。
- この他にも、電子レンジで牛乳を温め、熱いうちにバターと砂糖を加える方法もあります。 [3] X 出典文献
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液状の材料と小麦粉1カップをミキサーに加えます。 中程度のスピードで約2分間混ぜます。生地の形が出来あがるのに合わせて、一回に1カップ程度の小麦粉をゆっくりと足していきます。小麦粉を全部足したら、最速スピードに設定して2分間混ぜます。
- 使う小麦粉の量は湿り気によって変わります。生地を丁寧に観察して、量を調節しましょう。全粒粉は取り扱い方法が小麦粉とは異なります。初めて全粒粉を使う時は、小麦粉と全粒粉を半分ずつの分量で合わせて、その違いに慣れましょう。最初は全粒粉は少なめに使ったほうが生地をまとめやすいでしょう。
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生地を取り出して捏ねる作業に入ります。 小さい塊なども生地に戻してから捏ねます。柔らかく表面が滑らかになるまで生地を捏ねます。生地を押すと自然に形が元に戻る状態まで捏ねます。
- パン用の羽根がついている電動ミキサーを手捏ねの代りに使うこともできます。このほうが手で捏ねるよりもより簡単です。約10分間ミキサーで捏ねると、グルテンが形成され、噛みごたえのあるパン生地に仕上がります。
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ボール状に丸めた生地の表面に油を塗り、油を塗ったボウルに入れます。 これには、生地の表面を乾燥から防ぎ、発酵の際のひび割れを防止する効果があります。発酵時に生地が乾燥すると、焼きあがったパンに味の悪い塊が残る原因になります。清潔な台所用ふきんか食品包装用ラップでボウルを覆い、温かい場所(もしくは熱すぎない場所)にボウルを置きます。
- 生地を90分間放置して発酵させます。この行程では生地が2倍の大きさに膨らみますが、全粒粉を使用した生地は、最低でも目で見てその大きさの違いに気づく程度に膨らんでいることが重要です。
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生地をパンチします。 拳で生地を押し、最初の大きさに戻るまで空気を抜きます。捏ねる必要はありません。この時点で、生地は柔らかく弾力があります。シェフ用包丁もしくはケーキ用ナイフで生地を二等分して食パンを成形します。
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生地を二つに丸めた後、型に油を敷きます。 パンを捏ねるのに使用した台の上で、生地の一つを平らに伸ばし、長い長方形に成形します。長方形の底辺と上部を折り込み、真ん中を合わせると食パンの底が出来上がります。
- 2つの生地を油を塗った型に加え、タオルなどで型に蓋をしたら、30~45分発酵させます。同時に、パンを捏ねたり成形するのに使用した台などを洗いながら、オーブンの予熱を開始します。
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200度で35分間もしくは黄金色になるまでオーブンで焼きます。 オーブンに入れる前に、表面に約1センチの切れ込みを3~4カ所入れます。食パンの耳の部分をかりっと輝くように仕上げたい時は、溶き卵かオイルを塗ります。
- パンの底が硬く、指で表面をたたくと空洞のような音がしたら出来上がりです。焼き上がりの確認をするときは、パンを型から出して数回たたきます。熱いので気をつけましょう。
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1難しい発酵の必要がなく、温かくどっしりとした味わい深いビール酵母パンほど簡単に手作りできるパンはありません。 小麦粉\3.6カップ(720mL)、砂糖0.6カップ(120mL)、 缶ビール1本(354ml)をボウルの中で混ぜます。油を塗った型に生地を流し入れます。生地の表面にブラシで溶かしバターを塗り、190度のオーブンで45~50分焼きます。絶対に失敗せず、夕食の食卓に並べられるパンです。
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2ソーダパンも試してみましょう。 ソーダパンには甘いものや食事に合うものなどがあり、材料次第で風味を変えることができます。小麦粉4.8カップ(960mL)、塩、ベーキングソーダそれぞれ小さじ1、大さじ数杯の砂糖(甘くない食事用のパンには大さじ1、甘いパンには大さじ4杯まで)を混ぜ合わせて、さらに牛乳かバターミルク2.4カップ(480mL)、溶かしバター大さじ2を加えます。軽く捏ねたら、油を塗った型に入れて190度のオーブンで約1時間焼きます。
- 刻んだオレンジの皮、レモンの皮、ドライフルーツ、ナッツ類を加えるのが定番のバリエーションです。マーマレードを上に塗るか、何も塗らずにそのままで楽しみましょう。
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3その他のレシピも色々と試してみましょう。 クイックブレッドはキッチンの戸棚や冷蔵庫の残飯整理に最適です。合いそうな具材を何でも入れてみましょう。冷蔵庫内のかさばる食品を処分するのに最適です。以下のクイックブレッドも試してみましょう。
- ズッキーニブレッド
- パンプキンブレッド
- バナナブレッド
- コーンブレッド
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ポイント
- どのような液体を使うかでパンの風味が変わります。牛乳とショートニングを使用すると軽めの白いパンに仕上がります。水とオリーブオイルを使用すると硬めのイタリアンブレッドになります。全粒粉、精製小麦粉、もしくは両方を混ぜる(全粒粉だけでは仕上がりが重くなります)などの方法があります。また、ブラン(ふすま)、フラックスシード、シード類、ハーブなどの様々な配合を試して、楽しくパンを手作りしましょう。
- 材料が正確に揃っているか確認しましょう。製菓用小麦粉はパンの材料としては「柔らか」過ぎます。パンにはさらなる噛みごたえが必要です。 ふくらし粉(ベーキングパウダー)入り小麦粉は使えません。中力粉はご使用いただけますが、強力粉(「製パン用小麦粉」「高タンパク小麦粉」「パン焼き器用小麦粉」などというラベルが貼られている製品)が最適です。強力粉にはグルテンが多く含まれており、パンを捏ねる際にグルテンの生成を促進します。
- 小さいパン:パン1斤分の材料からはロールパンが12個できます。油を敷いたベーキングシートに、膨らんだ時に生地同士がくっつかないように数センチの間隔で並べて、二次発酵をします。
- オーブンを低温設定にして生地を発酵させることも出来ます。低温設定にした暖房の上か、生地を黒い布で覆って日光の当たる場所に置いて発酵させます。
- パン焼き器専用小麦粉は高タンパク質のため、より多くのグルテンを形成し、パン焼き器で理想的なパンに仕上がります。非常に硬くてしっかりとしたイタリア風パンを作りたい時はパスタデュラ(セモリナ)粉を使いますが、この粉は食パンには使用しません。
- お好みで食パンの表面にブラシで牛乳を塗れば、柔らかな仕上がりになります。また、艶を出すには溶き卵を塗ります。種子類などをパンの表面に散らす場合は焼く前に行ないましょう。食パンの上に色々を振りかけて飾る場合は、焼く前に行いましょう。芥子の実、オーツ麦、胡麻などが合います。
- パンの捏ね方:ボール状に丸めたパン生地を正面に置き、手の掌の底を生地の上に置き、自分と逆の方向に向けて押します。 手を元に戻して繰り返します。右手はそのままです。生地をつかんで左に向けて1/4回転させてから折り曲げ、手の掌の底で押します。押していくことで新しい部分を順番に捏ねることができ、非常に効率よく作業が進みます。
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注意事項
- パンをオーブンから取り出してすぐに切ってはいけません。パンがつぶれたり、柔らかい部分から裂けてしまいます。焼き上がり後30~60分間はそのままの状態で冷まします。清潔なふきんなどをパンの上からかけておくと、温かいままパンを保存できますが、パンがべったりとふやけないように、空気に触れていることを確認しましょう。
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出典
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