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時おり不安を感じることは誰にでもありますが、それはごく正常で普通なことです。それでも不安は精神障害に発展する場合もあり、そうなると不安に対処する能力が低減してしまいます。不安を克服しようとする際には、無理に不安を取り除こうとする必要はありません。むしろ、不安に対処する能力を向上することに力を入れてみましょう。不安に対処する能力を培うことこそが不安を克服するカギになります。不安に支配されてしまうと、深刻な心の問題でもあるうつ状態が長引いてしまいます。

方法 1
方法 1 の 3:

不安を分析する

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  1. 自分を責めたり「この状態から脱出はできない」とか「自分は無能だ」というように感じてはいけません。不安を克服できると信じましょう。 [1]
  2. 不安の原因を見極める [2] 急にパニック発作に襲われたり、心配や恐怖に突然見舞われる時には、原因を見極めることが大切です。身の回りにある何かが主要な原因でしょうか?何かしらの事故が原因でしょうか?将来に控えている予定やミーティング、またイベントが引き金になっているでしょうか?原因がはっきりとしていれば対処しやすくなります。 [3]
    専門家情報

    Chloe Carmichael, PhD

    臨床心理学者、「ナーバスなエネルギー」著者
    臨床心理学者のクロエ・カーマイケル博士は、自身で開業したニューヨーク市のカウンセリングオフィスにて、数十年にわたり人間関係の問題、ストレス管理、自尊心の向上、そしてキャリアについてのカウンセリングを専門的に行っています。また、 ロングアイランド大学での学部生の指導や、ニューヨーク市立大学での非常勤講師の経験もあります。ニューヨーク・ブルックリンのロングアイランド大学にて臨床心理学の博士号を取得し、レノックス・ヒル病院およびキングス郡病院にて臨床研修を修了。アメリカ心理学会公認。著書に「ナーバスなエネルギー:不安の力を役立てる」があります。
    Chloe Carmichael, PhD
    臨床心理学者、「ナーバスなエネルギー」著者

    不安は健全なものであることを認識しましょう。 臨床心理学者のクロエ・カーマイケル博士からのアドバイスです。「布団から出られなくなってしまう人もいますが、それは必ずしも悪いことではありません。ちょっと長い間頑張りすぎてしまったから、そろそろ力を抜くことが必要だと本能が教えてくれていることもあります。休みが必要だと自分で認識できることはとても健全なことです。しかし、このような日があまりにも多かったり、生活に影響を及ぼす場合は、誰かにそのことを話す必要があるかもしれません」

  3. 恐れているものが分かれば、次にそれが解決可能なものか、それとも時間(または想像力)だけが解決できるものかを判断してみます。 [4] 恐れているものが想像上のものであったり、現時点では解決不能なものだとすれば、努力して頭の中から消してみましょう。もしくは、自分が対処しなければいけないものだとしたら、必要な行動を取りましょう。 [5]
    • この恐怖感や不安を抑えるために自分に何ができるだろうか?
    • この不安は長期的ものかそれとも短期的なものだろうか?
    • この不安や恐怖感が再発しないために自分には何ができるだろうか?
  4. 恐怖に支配されている場合には、考えられる最悪の結果を想定してみましょう。例えば、重要なプレゼンテーションが控えているためにパニック状態に陥っているとすれば、立ち止まってみて「最悪の事態は何だろうか?」と自問してみましょう。その答えがどうであれ、想定される結果をじっくりと考えてみれば、実際のところ対処できないような結末はそれほどないということに気付けるでしょう。 [6]
  5. 不確定要素を受け止める [7] 結末を想像できないような時には、不安を解消することが難しい場合があります。この時点で、不確定要素を素直に受け止めることは大切です。どのように物事が進展するか、また結末がどうなるかを確実に知るすべはありません。知りようがないものに対して恐怖を抱く代わりに、単純に可能性というものを受け止めるようにしましょう。
  6. 何かが原因で不安を感じることがあるでしょう。現実または仮想のシナリオに対して恐怖を抱くために不安が生まれます。しかし実は、自分に害がないものに対して心配し始めることで問題が浮上します。まず不安の理由について考えてみましょう。役立ちましたか?確実に危険な状況に対して恐怖心を抱いているのであれば、健全な恐怖心であると言えます。しかし理由もなく恐怖心を抱いているようであれば、無駄に恐怖心に支配されていると言えるでしょう。この点を覚えておけば、重度の不安を緩和できます。 [8]
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方法 2
方法 2 の 3:

認知の歪みを避ける

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  1. 何かに対して不安を感じている場合には、すぐに悪い点に注目してしまいがちです。他の事柄にも共通して言える点ですが、恐怖に満ちた状況の中でさえも、何かしらの良い点があるはずです。たった1つの悪い点に注目するあまり、関連する良い点を無視しないように気を付けましょう。 [9]
  2. 状況がどのように進展するかに関係なく、結果を完全に白黒つけることはできません。白と黒の間の部分に目が向かないあまり、悲観的にならないように注意しましょう。例えば、特定の大学に入れなかったために、自分は誰からも必要とされないダメな人間だと思ってしまう場合があります。このような思考は不安の原因としてごく一般的なものですが、全く理不尽なものと言えるでしょう。 [10]
  3. 危険性がないものや、想像上のものにまで恐怖を抱いてしまう場合もあります。最悪の状態になると決めつけると、状況は確実に悪化してしまいます。例えば、飛行機に乗ることに不安を感じているとします。最初の乱気流に直面した際に墜落を想像してしまうと、不安は強まってしまうでしょう。現実を直視するように努め、不必要に最悪の状態を想定する必要はありません。
  4. 事実情報が不足しているだけでなく、不安や恐怖をまだ体験していない状況にいるとします。そのような状況で、次に起こることを結論付けるのはふさわしくありません。何か不確定なものがあれば、何が起こるか分からないということを理解する(また認める)ことで不安を減少できます。まずあり得ないような、悲惨な結論に飛ぶ前に、起こり得るすべての結果について考えてみましょう。 [11]
  5. [12] 恐怖を抱き、不安を感じている場合には、論理よりも感情の方を優先してしまいがちです。こうなると、感情は実際に置かれている状況よりもさらに危険な状態に自分がいるというような錯覚を引き起こします。本当に危険な状況にいるのでない限り、このような錯覚に騙されないようにしましょう。同様の点が、不安に起因するネガティブ感情にも当てはまります。これらにはストレスや罪悪感、また恥ずかしさなどが含まれます。 [13]
  6. 不安に襲われると、自分の力ではどうしようもないものまで自分の責任と見なしてしまいがちです。空き巣に入られたために不安や恐怖を抱いている場合には、泥棒に入られたのは自分のせいだと自分を責めてしまうかもしれません。この手の思考は非論理的であり、もっと気分が沈んでしまうでしょう。自ら泥棒を家に招き入れたのでない限り、泥棒に入られたことを自分のせいにするべきではありません。 [14]
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方法 3
方法 3 の 3:

不安を緩和する上で効果のある方法を試してみる

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  1. 不安を感じると呼吸が早まります。結果として脳に送られる酸素量が低減してしまいます。こうなると、明瞭に物事を考えたり、理論的な思考が困難になります。時間を取って深く腹式呼吸をしてみましょう。4秒間息を吸い込み、4秒間息を止め、4秒間かけて息を吐き出してみます。1~2分間これを行えば、気分が落ち着くでしょう。どの部分から深呼吸をすればよいのか分からない場合には、手を腹部に置いてみましょう。呼吸をする際に膨らみ、へこむ部分から深呼吸をします。 [15]
  2. 時間を取って運動をする [16] 突然不安に襲われる場合もあれば、慢性的に不安を感じる場合もあるでしょう。それを解消する上で運動は役に立ちます。物理的な活動はエンドルフィンを分泌します。この物質は幸福感を高めるだけでなく、ストレスを生成するコルチゾールを低減します。不安を感じたらすぐに運動や散歩をしてみましょう。緊急治療を別にすれば、不安を徐々に解消する上で定期的な運動は効果的です。 [17]
  3. 意識的にストレス要因から思考をそらすと同時に、気持ちが安らぐものに思考を集中させてみましょう。こうすれば不安や恐怖を著しく軽減できます。不安を感じ始める時には、自分の思考に意識を向け、前向きな効果を持つ言葉を繰り返すか、祈祷してみましょう。完全に集中できれば、結果として不安はひとりでに消滅します。 [18]
  4. 不安と朝食の間には何ら関連性がないように思えますが、口にする食物は精神的機能に大きな影響を与えます。複数の研究で、不健康な食事と高い不安やストレスの間には関連性があるという結果を示しています。より多くの果物や野菜、また全粒穀物を毎日の食事に組み込んでみましょう。特定の食品が不安の引き金になることも少なくありません。食品アレルギーを持っていないかを知るためにも、検査を受けてみましょう。 [19]
  5. 一般的な心配から重度のパニック障害に至るまで、マグネシウムには体内における不安効果を緩和する作用があります。マグネシウムが欠如している場合には、必要以上に不安を感じる場合があるでしょう。地元の健康食品店でマグネシウム栄養補給剤を購入して、効果があるかどうかを見てみてもよいでしょう。 [20]
  6. ハーブ療法を試してみる [21] 不安を緩和する上で、化学物質を含む薬だけが効果的であるというわけではありません。その代わりに、完全に天然のハーブ療法を試してみてもよいでしょう。セイヨウオトギリソウ、セイヨウカノコソウ、カモミールを含む栄養補給剤には不安を低減する上で強力な関連性があることを示す研究結果もたくさんあります。強い薬を試す前に、これらの栄養補給剤を試してみてもよいでしょう。 [22]
  7. 克服できないように思えるほどの不安を感じる場合もあるでしょう。その際には恥ずかしがらずに専門家に相談してみましょう。怪我をすれば病院を訪ねるのと同様に、感情的また精神的に健康的な状態を保つ上で、精神科医に相談するのはごく普通のことです。慢性的な不安を感じていたり、パニック発作が頻発するようであれば、精神的疾患を患っている場合がありますが、それらは特別な治療法や医薬品を通じて簡単に抑えることが可能です。 [23]
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ポイント

  • カフェインを大量に含む飲料は 頭痛を治す 効果があるものの、 ストレスを和らげる よりもストレスを増大させてしまう恐れがあるので控えましょう。 [24]
  • 抗ストレス剤に手を出す前に、手軽な治療法をすべて試してみましょう。抗ストレス剤は気軽に手を出しやすい反面、いざ使用を止めようとすると困難な場合があります。
  • ラベンダーオイルを使用して、神経をリラックスさせてストレスを緩和してみましょう。耳たぶ周辺に一滴垂らすだけで効果抜群です。 [25]
  • 本やテレビ番組、映画また歌といったように、幸せな気分になれるものを見つけましょう。不安を感じる際には、これらのものを聴いたり読んだり、観てみましょう。
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注意事項

  • 軽度の錠剤でも、他の薬品の効能と「干渉」する場合があるので、最初に医師に相談してから摂取しましょう。
  • 上記の対処法は医学的治療に取って代わるものではありません。しかし、問題が中度のものであれば助けになるでしょう。重度の恐怖症にかかっている場合には医師に相談しましょう。不安やストレスを過度に感じる場合には、神経系や血圧に重度の悪影響がおよぶ恐れがあります。すぐに治療をしないと、重大な問題に発展したり、公共の場で恥ずかしい思いをしたり、状況に直面する上での自信を失ってしまう場合があります。
  • ここで挙げた方法が効果を奏さず、公の場でも神経質になってしまうことがあるかもしれません。その場合には、単純な不安を感じているというよりは、医学的治療が必要な不安障害にかかっている恐れがあります。
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